六月も、あっと言う間に十日。散歩していると紫陽花がきれいに咲いてる。
墨田の花火と名の紫陽花が私は好きで、父親が庭で毎年育てて咲かせていた
のを一鉢貰った時に教えてくれた。今は、ずっと入院中なので庭の手入れを
する人がおらず花も咲かない。もう帰ってこれないので主不在の庭である。
日曜に家族と食事に車で出かけたので、西宮ブックオフへ行った。ここも
ようやく平常営業になったが、客は少ないな。新しいバイト君等に仕事を
教えているのが多い、それが邪魔で本が見にくい。それでも本棚の間に立ち
本を見ているとホッとする。精神的にしんどい時は特にそうだ。一番落ち
つく場所。あれこれ見て四冊買う。家族も、それぞれ買う。ウチは皆、本
好きだ。中島らも「さかだち日記」をこれも持ってたが売ってしまった
ので再度買い家で読むと、野坂昭如との対談が面白くて仕方無い。らも
はアル中で薬物依存で鬱病もあったが、一流の物書きだ。野坂昭如も亡く
なり二人とも故人になってしまった。新聞で西宮の満地谷に「火垂るの墓」
の碑を建てたのが出てたが、あの意地悪なおばさんがいるところで妹と
二人で出ていき穴に住んで妹が栄養失調で蛍の数を数えて死ぬ場所だ。
なんでもかんでも地元の売りにしやがっていい加減にしろ。と思う。
きちんと小説を読んだのかと聞きたい。あんなに泣いた小説は無い。