朝、外を見ると雪が降っていた。それも六甲山が白くけぶるような
雪だ。なので寒い。神戸は雪は積もらないけど雪は降る。
寒いと家に居ても布団に入り本を読んでいる時間が長い。ラジオを
流して本を読むのも冬の贅沢だなー昨日ブックワンであれこれ本を
見てそのなかに「おそめ」石井妙子を拾い読みだしたら、やめられ
ないよ。おそめとは、京都の祇園から東京の銀座へ出てきてバーを
した伝説の女性の名だが、その半生は波乱万丈で美貌と持ち前の客
あしらいの良さなどで成功した女性の伝記のような本。
私も名前は他の小説家のエッセイに出てきたりで知っていた。
おそめさんは銀座で店を開き文豪や経済界の大物の客を贔屓にしてい
たが、そのなかでも白洲次郎が足繁く通っていたし噂もあったらしい
白洲は男っぷりも良いモテ男だった。白洲正子の夫で敗戦後の日本人
でアメリカに唯一媚びなかったと言われている人物。芦屋出身
しかし銀座の高級バーで京女の美人ママと噂があっても当時は大した
ことでも無かったし官僚など芸者の愛人を持つのは出世した証のよう
な感じすらある。遡れば明治の伊藤博文など女好きで何人芸者と関係
があったか有名な話である。
それはさておき、お染めさんこと秀さんは晩年は京都で大きな家で
暮らして長寿を全うされたとか。ふと祇園を放り出されて東京で店を
出したがパっとせず今は五十過ぎて、かってのスターと噂されたナンバ
ワンの舞妓だったK乃はどうしてはるのやろと要らんお世話なことを
ふと思ったなー