そろそろ冬の訪れを思わせる朝は寒い日。大きめのトレーナーを着て
も外へ出るとやや寒いな。まあ暑いよりか、ずっと過ごし易い。
えらんだ堂の本をそろそろ用意して本を積みあげて一冊づつ見ていたら
魯迅の本が出てきた。それでぱらっと読みだすと案の定止められない。
中国の作家で魯迅を読んだのは多分、国語の教科書で「故郷」か「藤野先生」
だと思うが大人になってから古本で買ったのが「吶喊」で、これも焼鳥屋で
ビール飲みながら焼けるのを待ってる間にカバンから出して読みだしたら
すごくてやめられなくなり一気に読んでしまった。変かもだが解説の
高橋和己の文がすごくて圧倒されたな。魯迅の小説や文章は中国とか
離れて引き込ませるモノがある。短い小説に哀れな青年が国の役人に
無実の罪で公開処刑され、その死体の心臓をとり病気の幼い息子に食べ
させて病気を治そうとする茶館のおやじがいる。中国には昔からそんな
言いつたへがあるらしい。息子は瀕死で、おやじは貧しかった。こっそり
盗みとった心臓を包んだ布のつつみを夜の闇のなか持って帰ってくる
他にも同じような市井で暮らす人を見る目がある。うまく説明できない
けれど好きな作家なんだな。こうして本を用意する間に読んでしまい
何やってんだかになるのもいつもで、それも楽しい。