なえブログ日記

大島なえの気まぐれなブログ日記

群像

九月二十日過ぎても毎日暑いですね。おまけに余り気持の良いことでないささやか

な事も起こり、なんだかなぁ。と思う今日この頃。また本屋行って本棚の間をウロ

ウロしたくなる。コロナもまた流行りだしている、母のいるホームから電話があり

一人コロナが出たので、しばらく面会禁止と言われる。誰もいなくなったら又、

面会できます。と言われるが、いつかわからない。そうなんだと思いながら、歩い

て実家近くのショッピングビルの中に入り、郵貯銀行の機械で用事を済ませる。

記帳もした。その後に、昔からある喫茶店に入りコーヒーをカウンタに座り飲んだ。

朝のこの時間は、カウンタは常連で埋まっているが、なんとなく私も端に座るよう

になった。お客は地元のそこそこ裕福そうな男性ばかりだ。高価な時計を腕に嵌め

てる人ばかりで、店の定休日にマスターとゴルフへ行く。水曜は、そのゴルフの話

ばっかり。私は実家が、すぐ傍なので開店した時から母や娘と来ていた。いわば

地元てことになる。もう神戸に住んで四半世紀が過ぎ、芦屋に住んでいた頃より

長い。色々と変わった所もあるが住みやすい方だと思う。リーマンショックの後に

一時的に家計がひっ迫してお金が無い時期があった。どうにもならずじっとして

いたが、芦屋美術館で古本市があり近いし買わなくても見にいくつもりで出かけた。

そしたら、よく知ってる古本屋さんが手に「群像」を持ってきて、これは村上春樹

が新人賞をとった時ので「風の歌を聴け」が掲載されている。と説明された。値段

は千円。しかし欲しいと思っても、その時は買えなかった。そして今、すごくお金

に困っててと言いたくなかった。なので無言で返した。なんだか情けなかったが、

人それぞれ事情があるものだ。一年ほどで何とかなり幸運もあって、そこまで

お金に困ることは無くなったな。自分の苦労知らずの甘さのようなのを思い知った

気がした。今なら、「群像」は買ってるだろう。でもね、あの時期をこんな時に

ふっと思いだす。世間には、今もすごくお金に困っている人もいるだろう。それも

少しはわかる気がする。