九月も、あと二日。朝は雨が降っている。久しぶりの雨で少し暗い。
昨日、転倒して打った左足太ももが痛くて動きにくい。その時は大したこと
ないかもと思ってたのが、どんどん痛くなってトイレに行ったり、寝たりする
時にしゃがむとズキッと痛みがある。これはアカンといつも腰痛の時に貼る、
ロキロニンテープ湿布を貼り一晩寝ると、大分マシになった。もっと早く晴れ
ば良いのにね。足が痛いので家で出かけず「文学界」の二年前のを元町の古書
店で買ってたのを、手にとり西村賢太の「蝙蝠か燕か」を寝ながら読みだすと
ぐっと引き込まれて、あっつう間に読了した。なんだか久しぶりの賢ちゃんが
戻ってきたような感じだ。遺作で一番じゃないか。初めて西村賢太の小説を読ん
だのは芥川賞とった「苦役列車」だが、私小説好きの私だし、それからかなり
沢山の小説を読んだな。それまで一番だったのは「どうで死ぬ身のひと踊り」
これの方が賞とれたんじゃ無いかと思う。本の雑誌ベストワンに選ばれていた。
今度のは、どうでの完結編と言っても良いんじゃないか。師と慕う藤澤清造の
最初の出会った小説「根津権現裏」から今日までの赤裸々な告白とも言える、
あれこれ。そうか全集はついに完成しないまま終わったんだ。お金も全部自腹
で用意してたらしいのに。西村賢太はタクシーの中で倒れて急死したあと遺族
が出てこずも少しで行き倒れ扱いになりかけ遺体は警察で処置される寸前に、
おそらくどこかの出版社の親しい編集者が助けて火葬し数か月後に師のお墓
の隣に自分で建てたお墓のある石川県のお寺に数人の出版関係の人と骨は納骨
された。お墓に骨を納めたのは、藤澤の親戚の人だ。その様子をネットでして
いるのを夜中に見て、ああよかった。と安心したな。二九日の祥月命日の日
明日もその日だ。成仏しただろか。どうだろね