なえブログ日記

大島なえの気まぐれなブログ日記

だが、メロディは鳴り響いている

七月の四連休は全部が雨になった。それも結構な大雨の日が多い。

うっかり忘れてしまうところだったけど、七月二十六日は、中島らも

命日。それと吉行淳之介の命日。同じ日に亡くなった。二人は小説家

でも作風も生き方もまるで違う。だが、私は二人とも好きな作家だし

影響を受けている。顔もスタイルも違うが、これもどちらも好きだな。

らも忌と勝手につけて亡くなった夏から毎晩、文庫本持って飲み屋で

ビールを飲んで追悼しているが、今日は雨で日曜日。店も休み。

なので家で、こっそり本を出して缶チューハイを飲んで追悼する。

二人とも薬漬けだった。多分、焼いたあとの骨はバラバラに散った

かも知れない。そして二人ともお酒好きだった、医者から酒やめろと

何度も言われても、やめなかった。淳さんは医者から、肝臓ガンの

宣告された時、「シピアなこと仰いますなぁ」と言ったそうだ。

或るエッセイには、路地で前向きに倒れて馴染みの娼婦に死に水を

とって貰って死にたい。のようなことを書いている。おそらく

「驟雨」の女性だろうな。でもなかなか思うような死に方はできない。

こうして小説を読んで偲ぶことができるのは、小説家冥利では無いか

と思う。