八月も二十日過ぎて、やっと朝は涼しい日になる。エアコンも夜中に寒くて切り
午前中はつけなくても済むようになった。行きつけの店へビール飲みに行った、
帰りの夕暮れの道も以前は、むあっと暑かったのが涼しくなった。夏の終わりが
来ているのだ。ホッとするなー
吉行淳之介のエッセイをよく好きで読むが、この人も夏が大の苦手。色んな病気
に苦しめられていたが夏の暑さにはまいっていた。亡くなったのも七月の暑い日
だった。私は中学の頃から吉行のファンで長いんだが、亡くなった時は三十代前半
で子どもが赤ん坊だった。ニュースで亡くなって、お葬式をしているのを流して
いて宮城まりこさんが「それでも七十まで生きたんですよ」と言ってたのを覚えて
いる。夏の暑い日だったな。とてもお葬式に行ける状況でなく家でテレビを見ていた
のが、くやしかった。あの頃はしんどい時期だった。見ていて、淳さんやっとラク
になれるね。と呟いていた。うつ病もあり原稿用紙を見ると恐怖を感じモノが書け
なくなってたのを生活の為に書いていた様なこともエッセイに書いている。私は、
文章の書き方を教えてもらったのが、この人の文章を読んでだと内心思っている
ところがある。それ位、たくさん読んだ上手いなぁと思うことが何度もある。
命日にいつも本を持ってひとりでお酒を飲みに行き追悼することにしているが
今年は忘れていたのに古本市でたまたま買った「やややの話」を読んだ。女好き
だ大酒飲みでぜい沢だとも言われていたが、育ちの良さがでる気配りのある紳士
だと思う。会ったことは無いけど、子どもぐらいの年だ私は。今年のクソ暑い夏も
やっと峠を超えましたよ。うれしいですね。