十月の雨が降る日、やや肌さむい。朝ドラ「舞いあがれ」をテレビつけた時に
たまたましていて見てると、今回のは面白くてみている。沖縄のはひどかった。
はじめは長崎の五島が舞台で、祖母役の高畑淳子がよくて五島のきれいな海や
島の風習とか、へぇ。と思ってたが、行きつけの店で馴染み客のNさんが五島の
出身で朝ドラの話をしたら、自分のいたとこではあんな凧は作らないし祭りも
ない。家はキリシタンじゃなく仏教だと言う。五島でも違うらしい。Nさんは
中学を卒業して五島を出て、流れて大阪の工場で仕事をして今は神戸の市営住宅
に住んで三十年以上になる。八十代で年金生活だ。四十代で脳梗塞になり仕事中
に倒れて少し後遺症がある。五島には父親の葬式で二十年前に帰って以来、帰
ってないと言う。私が五島の海はきれいだね。と言うと、うれしそうに頷いて
いた。死ぬまでにもう一度帰りたい。とよく言っている。
私には田舎と呼ぶとこが無いので帰りたい場所も無い。父親は先祖から芦屋で
田んぼをしていたし、母親は大阪市内の街中だ。どちらも戦災で燃えている。
朝ドラには舞ちゃんの家のある東大阪が出てくる。東大阪に震災後に二年だけ
避難で住んでいたことがある。瓢箪山と言うところで駅から山が見えるのが
気に入り住宅を借りて住んでいた。住宅の目の前が田んぼで田舎を知らない私
は新鮮だったな。東大阪と言うと小さな工場の多い町てイメージがあるが、
あちこちに田んぼがある。よく家族で花園図書館へ車で行ったが途中に畑がある
下水道もまだで、私の住んでいた所は鉄筋で簡易水洗トイレだったが古い家は
殆ど昔風のトイレだった。子どもが舞ちゃんと同じぐらいで小学校三年生だった
な。私は結構馴染んで、ずっとここに住んでも良いかな。と思ってたが家人と
娘が神戸に帰りたい。と言うし新築マンションの抽選に当たりそれを機に二年
後に前に住んでいた東灘に帰った。河内弁で言葉はやや荒いけど人情のある町
で好きだったな。