なえブログ日記

大島なえの気まぐれなブログ日記

芦屋婦人

二月も後半になるが、なかなか春が来ない。また小雪が舞ったり結構寒い。

それでも、関西の年寄りは「お水取りまでは寒い」と言う。奈良の二月堂の

行事のことでそう言われれば、お水取りが来ると何だか春らしい気がして

くる。知り合いの上品な芦屋のおばあさんが、いつもそう言っていたな。

そのおばあさんMさんは生粋の芦屋生まれの育ちで、その時で九什歳だった

が実家も大きな家で山手女学校を卒業してエリート商社で勤めるご主人と

お見合い結婚した。所謂、芦屋のお譲さんだが気取ったところが全然無く、

たまたま話しするようになり仲良くなった。自慢などしないけど育ちの良さ

がわかるしお金にも困った感じが無い人で疲れるとタクシーを呼んで芦屋へ

帰っていった。今はそういう人はもう殆どいない。見かけだけのお嬢様の人

が多い気がする。Mさんは見かけは質素な普通の服を来ている。食べ方が

躾が良くとてもきれいだった。大きな口を開けずに食べるし音も出さない。

見てないところでも同じだった。最後に会ったのは十年も前だが、この時期

になると思い出す。息子さんが一人いてよく様子を見にきていた。お墓も

芦屋霊園にある。大人しいけれど、芯のある感じがしたな。芦屋婦人て本当

はあんな人のことを言うんだろうね。