朝は曇り、これから晴れるらしい。今日は天皇誕生日、天皇さんは六十三才に
なられたとか。あら、私と同年代なんだねー。しかし天皇誕生日と言えば、ど
うも私などは前の天皇、今の上皇さんの方がしっくりくる。もっと言えば昭和
天皇からで、気づけば三代も生きている。祝日になるので覚えている。一番
うれしかったのは上皇さんの十二月二十三日だった。年末の忙しい時期で冬で
寒いしその頃病院勤めして、すごく忙しかったので二十三日の祝日の休みは、
有難かった気がする。疲れが溜まってるのを休めた、先生もそう話していた。
その後も年末三十日までバタバタでクリスマスなど、いつ終わるのかわから
無い位、患者が押しかけて本当にグダグダにいつも疲れたな。
この前も行きつけの店で話していた五十鈴さんと、修学旅行の話になり思わず
泣いたのが、娘が高校の修学旅行でハワイに行き帰る日に私が仕事で休めずに
迎えに行けず、ひとりで帰ってきた日を思いだした。仕事中もなんだか気が
入らずぼんやりしてたし出来るなら迎えに行きたかった。しかし代わりの人
が居ない仕事は忙しい休めない。その頃はもし親が死にかけてもいきなり電話
があっても休めないと仕事してるんじゃないかと思ったな。これは自営業の
人にはわからないと思うが、会社に勤めて責任のある仕事をしてると休めない
んだね。大会社でもないギリギリの人間でしてると特に。親が危篤ですから
病院に来てくれと電話があっても、そうですかと仕事をほっぽり出して行けな
い決まりのようなのがある。勿論、いく人もいるができない人も多い日本は。
それだけ厳しいものが会社勤めにはあった。私の親も休まなかった。わかる人
にはわかるだろう。そんなのおかしい、建て前はそうだが実際にはそうじゃ
ない現場がある。兄弟も今も会社勤めだから、親の死に目が仕事中だと会えな
いだろう。仕事が終わってから病院に来ることになる。だから私もそうなって
も責めないだろう。ひとりで見送る。