三月も二十日過ぎ、晴れると神戸は随分暑い。朝は上着を着て出たら暑くなり
脱ぐ。野球は日本がアメリカと決勝戦で、午後までテレビを見る人ばかりなの
か街に人がいない。大谷がズバッと決めて日本が世界一になったのを喫茶店の
テレビで見る。やったーすげぇ。大谷君は本気入ると指を舐めて投げるんだ。
そのほぼ同時期に、沖縄の那覇の国際通りを右に入ったところにある牧志市場
が再開した。戦後すぐに闇市から露店であった市場をまとめて屋根で囲い夏は
冷房がなく、かなり暑いしトイレもわかりにくいが、混沌としたごちゃごちゃ
な雰囲気が何とも良い感じで、人も多く賑わっていたが約四年前にお決まりの
再開発と耐震で市場は解体されアーケードはつぶされて工事はコロナもあり、
長引き再開した時は、相当の店がやめていたらしい。明るいが、なんだか
シャッター市場みたいなってる感じもする。公設市場はアーケードの奥に
建っていてそこは真新しく建物になった。その三角の左横あたりに古本屋の
ウララさんが今もあるのを訪ねた人の写真で確かめる。私は壊される前の市場
の時に訪問した。小さな本屋だが関西でも名が知られている有名な古本屋だ。
那覇に行った時、どうしても行きたかった所だった。十月なのに暑く、店の
外に扇風機を回していた。店主は東京の大型書店で書店員をしていた女性で
一度お会いしたいと思っていたが、その日はお留守で店番の人が別にいたな。
正直、沖縄の小汚い市場の隅にある本屋と思えない良い意味で特別な本屋と
言う印象がした。神戸の市場のなかにある同じぐらい狭い本屋はあるが、
雑誌マンガ中心で特色と呼べるものは無い。古本屋もあるが今は殆ど無い。
ウララさん店はアーケードが無くなり、空が見えているが雨が降れば濡れ
そうでテントがあった。これからは明るい場所にしていこうて感じなんだ
ろう。隣にあった唐辛子の店はやめたらしい。きれいになってこれから
どうなるんだろうかと少し思う。